円安下でのインバウンドの本当の実力

円安は本当に「追い風」なのか

円安が進むことはインバウンドにとってはずっと追い風と思われがちですが、もはやそうも言ってられません。「日本が安くて旅行しやすいから行く」の割合が増えてきているように感じます。

もちろん、日本の伝統文化や尽きることのない美しい観光に魅せられ、安全・快適・清潔なサービスに感動してリピート訪日してもらえるのは有難いことです。

ですが、渋谷のスクランブル交差点を往復して自撮りしたり、ど真ん中でバック転する若い人達、歌舞伎町の夜に遊びに出る人達が増加するのを目の当たりにすれば、価値の高いものにお金を使いに来ている訳ではないことがすぐに分かります。

リピート率65%は何に支えられているのか

訪日のリピート率は65%ですが、世界でもハイレベルの観光体験が今の歴史的な安さに支えられているのだとしたら――仮に大災害が発生した後、日本の観光が困った時に来てくれる観光客はどれくらい存在するでしょうか。

5年ぶりに訪れた世界遺産の姫路城。様々な国からの観光客を見かけました。

1ドル108円、そして102円だった頃

コロナ前に1ドル108円だったのを覚えていますが、その頃は「日本はミステリアスだけど行ってみる」層がはっきりと存在したのです。私が創業した2004年の米ドルレートを調べたら、なんと102円でした。

超円安へ一歩一歩と進んでいく中でも、為替レートに関わらずいつでも来てくれる真のファンを獲得し続けていきたいものです。

為替とマーケットから見た今後

片山さつき財務大臣は適切な対応をすると言っています。政府介入で一旦円高へ戻して160円を切りましたが、あまり余力は無いでしょうし、実需がそれに打ち勝つため円安方向に動くと見ています。いずれにしても日本円が市中にあふれて通貨の価値が下がり、売られる=円が安くなる傾向が続くでしょう。

ここ最近はゴールドと株価が連動していますが、米国債10年の利率が上がり始めたら株安・債券安となり、いよいよゴールドが上がり始める可能性もあります。欧米客の主力をなす米国からの旅行者は、主に株投資での利潤を得て海外旅行をしているのです。米国株が全面安になったら2008年に起きたリーマンショック金融危機と同様にしばらくの間、消費者の間で海外旅行を控える可能性もあります。

本当の日本好きに、リピートし続けてもらうために

円安が進行して仮に大暴落した場合でも、あるいは真逆の円高に一気に動いたとしても――本当の日本好きな人にはいつでもリピートし続けて日本の観光を楽しんでもらいたいですね。

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この記事を書いた人

小野秀一郎
(株)インバウンドにっぽん 代表
東京観光財団(TCVB)アドバイザー(5期目)

旅館・ホテル、温泉地向けインバウンド集客の専門家。
全国400軒を支援、50超の案件にアドバイス。

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